さつまいもの夏越し|酷暑で葉が黄色に、ハスモンヨトウ襲来、水やりの葛藤【収穫への道②】

植物

前回、紅はるか30本は無事に活着した。肥料なしの痩せた土でも、葉は青々と茂っていた。

このまま秋まで突っ走れる。そう思っていた。

甘かった。夏には、3つの苦難が待ち受けていた。


8月2日:畝いっぱいに茂る。でも、葉に穴が

8月に入ると、さつまいもは畝を覆い尽くすほどに茂った。6月にはまだ黒マルチが見えていた畝が、ハート形の葉でびっしり埋まっている。

ただ、近づいてよく見ると、あちこちの葉に穴が空いていた。何かが葉を食べている。


8月9日 苦難その1:ハスモンヨトウの襲来

1週間後、犯人がわかった。

ハスモンヨトウだった。

さつまいもの葉を食い荒らす、厄介な害虫だ。被害を受けた葉は、写真のように表面だけを残して中身を食べられ、白く透けたようになる。やがてその部分が茶色く枯れていく。

しかも、葉を包むようにして、卵を産みつけつつあった。ここで孵化されたら、大量の幼虫が一斉に葉を食べ始める。被害は一気に広がる。

迷わず、その葉を切り取って処分した。卵ごと取り除くのが、一番確実な方法だ。

ただ、代償もあった。葉を切れば、それだけ光合成の量が落ちる。芋を太らせる栄養は、葉が作っている。痛い選択だった。


苦難その2:酷暑で葉が黄緑色に、そして枯れ始めた

虫だけではなかった。今年の夏は、とにかく暑かった。

あれほど濃い緑だった葉が、少しずつ黄緑色に変わっていく。やがて端から茶色くなり、枯れ始めた。順調だったはずの畝に、はっきりと異変が出ていた。

原因の一つは、黒マルチだと考えている。黒マルチは雑草を防ぎ、地温を上げてくれる頼もしい存在だ。だが真夏の直射日光を受けると、マルチ自体が熱を持つ。その熱の照り返しが、マルチの上に垂れた葉を容赦なく焼いていた。

春の味方が、夏には敵になる。


8月29日 対策:抜いた草で「草マルチ」をかぶせる

そこで、草取りで抜いた草を捨てずに活用した。黒マルチがむき出しになっている場所に、抜いた草をかぶせていく。いわゆる「草マルチ」だ。

写真の茶色い部分が、その草マルチ。草が日よけになり、黒マルチが直接熱を持つのを防いでくれる。材料費はゼロ。草取りの手間が、そのまま暑さ対策に変わった。


2年前はやらなかった「つる返し」

夏の間、もう一つ気をつけていたことがある。つる返しだ。

さつまいものつるは、地面をはって伸びながら、節から根を下ろす。根が土に入ると、そこでも小さな芋を作ろうとする。すると栄養があちこちに分散し、肝心の株元の芋が太らない。

それを防ぐのが、つる返しだ。伸びたつるを持ち上げてひっくり返し、節から出た根を土から引きはがす。

2年前は、これを一度もやらなかった。今年は定期的に畝を見回り、数回つる返しをした。

ただ、今年は意外なことに、つるがあまり黒マルチの外へ伸び出てこなかった。酷暑で葉が弱り、つるの勢いも落ちていたのだろう。そして黒マルチの上を伸びるつるは、根を下ろしても土に届かない。

黒マルチのおかげ。そして、皮肉にも酷暑のおかげ。苦しめられた2つが、ここでは味方をしてくれた。


苦難その3:水をやるべきか、耐えるべきか

そして、一番悩んだのが水やりだった。

葉は黄ばみ、枯れ始めている。地面はカラカラ。目の前の苗を見ていると、今すぐホースを持ってきて、たっぷり水をやりたくなる。

でも、頭をよぎるのは2年前の光景だ。こまめな水やりで安心させた結果、葉ばかりが茂り、芋はできなかった。ここで水をやったら、同じ失敗を繰り返すのではないか。

枯らしたくない気持ちと、甘やかしてはいけないという理屈。その間で、毎日揺れていた。

出した答えは、基本は我慢。ただし、本当に危ないときだけ水をやること。

3週間、一滴の雨も降らなかった。さすがに限界だと判断し、ついに水をやった。夏の間で、たった1回の水やりだ。

ところが、その1週間後。今度は長雨が始まった。

あれほど待ち望んだ雨が、今度は止まない。あれだけ悩んだ末の1回の水やりは、何だったのか。自然は、こちらの都合など知ったことではない。

ただ、この長雨には救いもあった。弱っていた葉が、息を吹き返したのだ。新しい葉が次々と出て、畝は再び緑に覆われていった。


9月12日:待ちに待った試し掘り。結果は……

Screenshot

9月に入っても、畝には夏の傷跡が残っていた。色あせた葉、まだら模様の葉、虫に食われた穴。それでも、つるは伸び続けていた。写真のように、つるの節から根が出ているものもある。見つけ次第、つる返しで根を土から外していった。

植え付けから約120日。さつまいもの収穫の目安と言われる日数を超えた。長雨で延び延びになっていた試し掘りを、ようやくこの日に決行した。

株元をそっと掘ってみる。芋は、あった。

でも、まだ小さい。

酷暑で葉が傷み、虫対策で葉を減らした。光合成がうまくいかなかった分、芋の育ちが遅れたのだろう。


夏のまとめ:3つの苦難と対処

出来事考えられる原因対処
ハスモンヨトウの食害と産卵(8月上旬)夏に発生する害虫卵の付いた葉を切って処分
葉が黄緑色になり枯れ始めた酷暑と、黒マルチの照り返しの熱抜いた草を草マルチとしてかぶせた(8月下旬)
つるの節から根が出るさつまいもの性質定期的に見回り、数回つる返し(2年前はゼロ)
水やりの葛藤酷暑と、3週間雨なし基本は我慢。限界のときに1回だけ水やり
長雨水やりの1週間後から葉が復活。試し掘りは9月12日まで延期
試し掘りの芋が小さい(9月12日)葉が減り、光合成が不足→ 第3回へ

収穫の目安の120日を超えても、芋はまだ小さかった。このまま掘るか、それとも待つか。

2年前の悪夢が、頭をよぎる。決断のときが来た。【収穫への道 第3回・収穫編】へ続く。

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