9月12日、植え付けから約120日の試し掘り。芋は、まだ小さかった(前回の記事はこちら)。
このまま掘るか、待つか。最終回は、その決断から始まる。
決断:収穫を2〜3週間遅らせる
答えは、待つだった。
判断の決め手は、葉だ。夏の終わりの長雨で、弱っていた葉が復活し、再び生い茂っていた。葉が元気なら、光合成はまだ続く。芋が太る余地は、まだ残っている。
そこで収穫の予定を2〜3週間遅らせ、植え付けから140〜150日を目安に変更した。
10月4日:2回目の試し掘り


3週間後。1回目と同じ場所を掘り、芋の大きさを確かめた。
いい具合に太ってきている。
同じ場所で比べたからこそ、成長がはっきりわかった。9月12日には細く頼りなかった芋が、指と並べても負けないくらいの太さになっている。待った判断は、間違っていなかった。
よし、いける。すぐに天気予報を確認した。収穫は晴れの日がいい。土が乾いていると掘りやすく、芋も傷みにくい。狙いを定めたのは、晴れ予報の週末。10月10日を収穫日に決めた。
10月10日:待ちに待った収穫の日
ワクワクと、ドキドキ。2年前のあの日も、同じ気持ちで畑に立っていた。そして、出てきたのはゴボウのような、繊維だらけの芋だった。
最初に掘るのは、5月2日に植え付けた第一弾の畝。一番早く植えて、一番酷暑に葉をやられた畝だ。ここで採れれば、本物だ。
黒マルチを剥がす。苗の根本を、恐る恐る手で掘り進めていく。
土の中に、色鮮やかな紫色が見えた。
丸々として、輝きを放っている。
芋だ。ちゃんとした、さつまいもだ。
ついに、自分の力でさつまいもを作った。2年前の失敗から、調べて、考えて、我慢して、ここまで来た。喜びと一緒に、静かな自信が湧いてきた。
第一弾の畝:酷暑を耐え抜いた芋たち

第一弾の畝を掘り終えると、土の上に紫色の芋が山になった。夏に一番苦しんだ畝とは思えない。植え付けから161日。長く待った分、しっかり太ってくれた。
第二弾の畝:もう2週間待った結果

続いて、5月16日に植えた第二弾の畝。【10月10日】に一部を掘ってみると、芋はあるものの、小さいものが多かった。第一弾より2週間遅く植えた分、まだ育ちきっていない。
ここでも、答えは待つだった。残りはそのまま土に置いて、さらに2週間。

10月18日、残りを掘った。結果は写真のとおり。やはり、大きく育っていた。新聞紙いっぱいに、丸々とした紅はるかが並んだ。
試し掘りで見極め、焦らずに待つ。今年の収穫で一番学んだのは、このことかもしれない。
収穫した芋の楽しみ方

小さい芋は、さっそくふかし芋にして食べている。採れたての芋は、自分で育てたというだけで格別だ。
愛犬のマロンも、喜んで食べている。家族みんなで、収穫の味を楽しんでいる。

手頃な大きさの芋は、今は熟成させている。やり方はシンプルだ。
- 収穫した芋は洗わずに、そのまま乾かす
- 乾いたら、表面の土を軽く落とす
- 1本ずつ新聞紙で包み、段ボール箱に入れて保管する
紅はるかは、収穫してすぐより、しばらく寝かせたほうが甘みが増すと言われている。熟成が終わったら、焼き芋にするのが今から楽しみだ。
2年前と今年、何が違ったのか

上の写真が、2024年に掘った芋だ。今年の芋と比べると、違いは一目瞭然だ。
| 2024年(失敗) | 2026年(成功) | |
| 土 | 借りた畑。前作の大根・そら豆で肥えた土 | 自宅の庭。草しか生えない痩せた土 |
| 肥料 | 前作の残りで窒素たっぷり | 腐葉土+リン酸・カリのみ |
| 水やり | こまめに | 活着後は我慢。夏に1回だけ |
| つる返し | 一度もやらず | 定期的に数回 |
| 収穫時期 | 時期がわからず、12月15日に掘った | 試し掘り2回で見極め、10月に収穫 |
| 結果 | ゴボウのように細長く、繊維だらけで食べられず | 丸々とした紅はるかが大収穫 |
振り返ると、特別なことは何もしていない。肥料を減らし、水を我慢し、つるを返し、収穫を焦らなかった。やったのは、さつまいもの性質を知って、それに逆らわないことだけだ。知識をしっかり学び、実践した結果だと思う。
リベンジ達成。そして次の舞台へ
2年前、ゴボウのような芋を前に立ち尽くした。今年は、新聞紙いっぱいの紅はるかを前に笑っている。
自宅の小さな庭でつかんだ自信を、次は鹿児島の畑で試す。ジャングルのような休耕地を開拓して、さつまいもを育てる挑戦が、すでに始まっている。
その記録は、こちらの開拓日記で。→ 鹿児島の休耕地、開拓開始|ジャングル化した畑と格闘した1日目の記録【第1章】
【収穫への道】、完結。最後まで読んでくれて、ありがとう。
シリーズ【収穫への道】
- 第1回:2年前の失敗と、肥料なしの植え付けから活着まで
- 第2回:酷暑、ハスモンヨトウ、水やりの葛藤を越えた夏
- 第3回:収穫編(この記事)


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